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​コンテンツで新しい
​アパレルビジネスを仕掛けていく

張谷 正憲

2008年入社

​ブランドマーケティング室 室長 兼 メンズカジュアル営業部 マーチャンダイザー

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​誰もやったことのないコンテンツビジネスの最先端を追求する

きっかけは、7年前(2015年)のバイヤーさんの何気ない一言でした。

 

「これだけインターネットが発達しているのに、いまだに新聞の折り込みチラシに頼っていて良いんだろうか、と僕は思ってるんですよね。チラシに乗せなくても売れる販促方法ってないものなんですかね?」、と。

その時は、「確かにな」、と思った程度なんですが、よくよく考えると自分もSNSで情報収集をしているし、SNSの可能性を感じていたのでヒントを探しに動いてみました。そういう目線でマーケットを見ると、「なんでこのキャラクターがこんなに売れているんだろう」、という不思議な売れ方をしているキャラクターがありました。調べていくと、そのキャラクターの版権元が、商品発売に合わせてツイッターで「何月何日に発売します!」と告知していることが分かりました。その時に、「これだ!」とピンときたんです。ただ、版権元が主導でやっていることで、商品を企画する私たちの競合会社はそこに対して目を付けられていなかったと思います。

キャラクターやゲーム、YouTubeなどコンテンツの重要性が上がっていること。SNSでの発信の可能性を強く感じた瞬間でした。

 

そんな中、当時プライベートでよく見ていたゲーム実況をする好きなYouTuberがいました。もともと当社では様々なキャラクターやブランドのライセンスビジネスを行っていましたが、YouTuberと契約してアパレルの商品にして売るという発想は誰も持っていませんでした。トレンドとしては確実にYouTubeの流れが来ていたので、商品化できれば確実に欲しい人がたくさんいるという確信に近いものがありました。ダメもとでそのYouTuberに連絡を取ったところ、「ぜひやりましょう!」とすぐに返事が来ました。そこからはトントン拍子で話が進んでいき、商品化することが出来ました。その時も、YouTuberが自分たちでグッズを出して販売するということはありましたが、一般的なお店で売る商品は私が日本で初めて仕掛けたと思います。

 

売れたかどうか、ですか?正直、私の予想を上回る売れ方でしたね。ある小売業だけで販売したのですが、普段はそのお店に服を買いに来ないお客様が開店前に長蛇の列を作った光景は、今でも忘れられないです。商品が売れたことはもちろん嬉しいことなのですが、小売業からも「お店に人を呼び込んでくれた」と感謝されましたね。その企画が大ヒットしたことで実績が出来て、YouTuber事務所から「一緒にやりませんか?」と声が掛かる流れが作れました。今でも、継続的に旬なYouTuberとのコラボ商品を展開していて、正直めちゃくちゃ売れていますね。

もともと強かったキャラクターやブランドに加えて、YouTuberというコンテンツも継続的に売れる商品をマーケットに提案出来たことで、版権を管理している会社からゲームコンテンツの話しも来るようになりました。ここ数年でこちらからアプローチしなくても向こうから話が来ることが増え、情報が集まる仕組みが出来たと実感します。中には、こちらから交渉して契約するものもあります。カナダのゲームコンテンツは、私が趣味で好きなゲーム実況のYouTubeから世界的にヒットしているのを知っていたので、絶対に売れると思い、英語で交渉できる代理店にお願いして契約に漕ぎつけました。

「何か売れるコンテンツがないかな」、と探しているというよりは、自分がプライベートで好きなコンテンツが売れるかどうかで判断しています。売れそうだったら契約出来るかをアクションするという感じです。売れそうなコンテンツでも、自分が好きなものでないとやらないですね。「カイタックがやるコンテンツってやっぱりこうだよね」という方が面白いじゃないですか。会社としては売れるものなら何でもやって欲しいんだと思いますが、そこのポリシーは自分の中でブラしたくないですね。

今後は、海外のマーケットをどうやって攻めていくか、に取り組んでいきたいですね。日本の市場は人口減少でシュリンクしていくので、将来を考えるとやはり海外での市場の拡大は必須でしょう。もう一つの理由は、日本のアニメが海外で人気なのにも関わらずあまり商品が流通されていないからです。海外の市場はまだまだ手つかずと言っていいと思います。近い将来、必ず実現させたいですね。

​自分で始めた新規事業を
グループの新しい柱に育てていく

石井  也主代

1992年入社

​R・S事業部 アシスタントゼネラルマネージャー​

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​自由にやっていいと言われ、リスクよりもチャンスに目を向けた

入社以来、年配の女性服の卸売に携わってきましたが、流通が劇的に変化したのを実感します。生態系が変わったと言ってもいいくらいです。そんな中でもなんとか粘って改善はし続けていましたが、卸売の売上はどんどん減っていく一方でした。当時は責任者の立場だったので「何とかしなくては」と必死でした。卸売だけではやっていけないので、自分たちで直接消費者に販売する衣料品の小売業をスタートし始めたのもそのころです。

売上が苦しくて小売業にチャレンジをしながら試行錯誤している間に、私たちのお店の周辺がいつの間にかオシャレなお店にどんどん変わっていきました。私たちの同業他社が次々と廃業して、そこにリノベーションをして新しいオシャレなお店がどんどん入ってきていたんですね。ふと気が付くと、お店の前の通りを若い人がたくさん歩くような地域に様変わりしていました。「この若い人たちをお客様にするためには」と、このころから考えるようになりました。

一方で、自分たちが運営する年配の方向けの小売業には引き続きたくさん投資もしましたが、なかなかお客様は増えていきませんでした。「これはもう限界かな」と思っていた時に、たまたま上司が変わりました。その新しい上司から「思っていること全部言って」と言われて、今までずっと考えていたことをそのままぶつけました。「お客様が入りやすいような、玄関に改装してほしい!」「小さくていいから飲食店を入り口に作らせてほしい!」「今までのお客様じゃない新しいお客様を呼び込むようなことがしたい!」、と。無茶なことだと分かっていましたが、思っていることをそのまま言ってしまいました。「それは無理だよ。」とでも言われると思っていましたが、予期せぬ言葉が返ってきました。「やれば良いじゃん」、と。元々、部門の責任者として損益のことを考えていたので、利益率の高いビジネスは何かをずっと研究していました。ですので、好きにやっていいなら飲食と決めていました。

普通に考えたら、今ある小売業を若い人向けの服を販売する方向にした方が早いと思われると思います。実際、私もそれを考えました。ただ、商品を若い人向けに品揃えすることはできますが、外観や接客をするスタッフの年齢も考えると、会社の資産を有効に使いつつそちらにシフトするよりも、全く新しい分野でチャレンジする方が良いと直観的に感じていました。

なぜクレープから始めたか、というのにももちろん理由があります。まずは、ターゲットとなる若い人たちの間で何が流行っているのかを知るために、お店の前を歩いている若い人たちに、「時間があったらどこに行きたい?」と聞いて回ったんです。そうしたら、多くの人が原宿と答えたんですね。「なるほど、原宿か」と思い、原宿に立って待ちゆく若い人が何を食べているかを一日中ずっと見ていました。すると、圧倒的にクレープを持っているんですよね。単純に若い人はクレープ好きなんだと思いました。そこで、クレープに的を絞っていきました。クレープの方が、他の飲食よりもお店が長く続いている傾向があることも理由の一つになりましたね。

会社の中で全く誰もやったことのない事業だったのですが、不思議と怖さはなかったですね。根本的にやって出来ないことはない、と思っているタイプなんですよね。何とかなると思うタイプだから飛びこめたというのはあるかもしれませんね。あとは、「最終的に損益がうまくいかなかったら、責任は取る」という上司の発言があったからチャレンジ出来たというのはありますね。個人でやるとなると借金をして自分の人生を賭けてチャレンジしなければいけません。しかし、会社の中で新しく立ち上げるということは、会社としてのビジネスとしてのチャレンジなので、会社としての投資で私のリスクではないです。もちろんキャリアとしてのリスクはありましたが、ずっと浮上しない不毛なビジネスをやっていたので、自由にやれと言われたらリスクよりもチャンスに目を向けて喜んで手を挙げることが出来ましたね。自由にやらせて貰えて、ありがとうございますという感じです。周りの人からは、大変そうだけど楽しそうだねとよく言われますね(笑)。

立ち上げたころは全ての部分で苦労しましたね。そもそも衣料品のビジネスと仕入れや在庫管理の概念、お店の運営の仕方が全く違います。また、社内に飲食ビジネスの経験者が一人もいなかったので、誰に聞いても分からないことばかりでした。何をやるにも「これはどうするんだろう」の連続でした。その道の詳しい人に聞きに行ったり本で調べたりと、とにかく成功させるために必死でしたね。

2018年にクレープ屋を立ち上げて、2019年にはスローなハンバーガー屋を立ち上げました。その間に新型コロナの流行もあり、決して順調だとは言えませんが、当初の予測に比べると数字としてもまずまずという内容までには持ってこれています。

この先の目標としては、やはり多店舗化して飲食事業を大きくしていきたいですね。そうしないと私がやる意味がないと思っています。経営陣からは、誰もがおいしいと思える商品を確立することが出来れば、商品としてコンビニやスーパーなどに卸売が出来ないか、というところまで見据えているようですが、私にはまだそこまでは見えていないですね。まずは、もっと多くの方に直接こだわった商品サービスを届けていくために、多店舗化を進めていきたいです。その為には、クリアしないといけないことは山ほどあります。会社自体に飲食のDNAがないので、今は私がそこを作っていくために動いていきながら、次の人を育てる仕組みを作らなければと思っています。外部から飲食経験のある人材を採用したほうが早いと思うこともありますが、会社のカルチャーにフィットする人材ということになるとなかなか難しいのが実態です。そういう意味では、やはり新卒で採用してカイタックの飲食事業を引っ張っていける人材に育成していきたいですね。新卒が採用できるまでの規模感になれるように、自分が先頭になって切り開いていきたいです。

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